
とかく難解と思われがちな「能」が静かな人気を呼んでいる。鑑賞はもちろん、自らが舞ってみたいと考える人も多い。今までは直接プロに弟子入りをするというのが一般的だったが、各流派や能楽堂などが教室を開講するなどでぐんと身近になった。
野口町の石本彩子さんも「能」の魅力にとりこになった一人だ。石本さんは大学生の時、サークル活動で能と出会った。そして卒業した今でも、何とか続けたいと、月2回平野公民館で、観世流の吉井基晴(もとはる)師に甲子園から来てもらって練習を続けている。生徒は今のところ石本さん一人のマンツーマン。
「古典芸能と言っても、おおよそは変えないで、現代に応じた新しいものに変えていっている」とのこと。能の基礎は「仕舞(しまい)」と「謡(うたい)」。仕舞の基本である「立ち」の姿勢はへその下に意識を集中する。いわゆるハラが据わった状態。これは人間形成の大きな手段とも言われている。
一時間余り見学させてもらったが、ピーンと張り詰めた空気の中。自分自身も背筋が伸び、すがすがしい気持ちになった。なるほど、もしかしたらこの空気、日常に張りをもたらすこの空気が能の魅力だなと納得した。
「ぜひ興味のある方は一緒に習いませんか」と石本さん。まずは練習の見学だけでもOKだそうだ。春や秋には神戸や京都の能舞台で発表会も行っている。